空き施設活用 子育て拠点に          2022年 9月 4日


(山陽新聞 2022年8月31日の記事より引用)

●待機児童過去最少

かつて大きな社会問題となった保育所の待機児童が4月時点で2944人と過去最少になった。
ピーク時の9分の1まで減り、国は施設の空きを活用して地域の子育て支援拠点への転換を担う。
ただ担い手となる自治体からは「国の方針に振り回される」と戸惑いも出ている。

「日本死ね」
待機児童は20年以上前から問題になってきたが、社会的に大きな注目を浴びたのは2016年。

妊娠中に保育所を何カ所も見学したり、認可園に「落選」して認可外施設に預けたりー。
母親らが育児休業後の職場復帰のために奔走する「保活」が厳しさを増し、「保育園落ちた日本死ね」と書いた匿名のブログへの共感が、国会前での抗議行動にまで発展した。
当時の安倍政権は相次いで対策を打ち出し、政府は現在も「新子育て安心プラン」として24年度末までに14万人分の受け皿を整備する計画を進めている。


地域差大
ただ今年4月の待機児童数は、少子化や新型コロナウイルスの感染を恐れた預け控えといった要因が重なり、大幅減に。
多くの保育所で定員割れが生じている。

厚生労働省は今回初めて都道府県別の「定員充足率」を公表。
保育所の定員に占める利用児童数の割合を表すもので、率が低いと空きが多いことになるが、地域が抱える事情は複雑だ。
待機児童と欠員両方の対策を迫られる自治体もある。
充足率が全国で最も低い77.7%の長野県。
待機児童が4人だった松本市の担当者は「山間部では空きが出ているが、中心部などでは満員の園もある。地域や施設によって差が大きい」と話す。
「待機児童の解消に取り組みつつ、空きの活用など欠員対策も並行してやっていく必要がある」と頭を悩ませる。


●機能転換 自治体戸惑いも

具体的方針を
政府は、保育所の空き定員を活用した新たな政策に取り組む。
保育所や幼稚園に通っておらず、孤立の恐れがある「無園児」対策として、23年度に専業主婦家庭などの子どもを定期的に預かるモデル事業を行う方針だ。

来年4月創設のこども家庭庁の目玉政策とする狙いだが、ある自治体の担当者は「ここ数年でも幼児教育・保育無償化や受け皿拡大など、保育政策はめまぐるしく変わっている。対応するのは正直、大変だ」とこぼす。

日本総合研究所の池本美香上席主任研究員は、定員割れによって保育所の統廃合や閉園が増えれば、遠方の園に通わなくてはいけなくなるなど、子どもや親に負担が生じることを懸念。
「親が働いているかどうかで線引きせず、全ての子どもが保育所を利用できるようになることが望ましい。国は具体的な対応方針を示すべきだ」と指摘している。





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