妊婦に寄り添う 保健師ら孤立解消へ助言・指導 2022年 2月 5日


(読売新聞 2022年1月27日の記事より引用)

家族ら周囲の支えが得られず、精神的、経済的な不安を抱える妊婦が珍しくないことが、読売新聞の全国調査から浮き彫りになった。
安心して出産や育児ができるように、妊娠期から支援に力を注ぐ自治体の取り組みを伝える。

●家族に頼れず

「高齢出産で初産だが、家族に頼れない」。
今月上旬、東京都葛飾区の「ハローベビー教室」に参加した妊娠9か月の女性(41)は打ち明けた。

夫婦共働き。
「夫は物流の仕事で忙しく、在宅勤務もできない。70代の両親は高齢で赤ちゃんの抱っこも難しいので里帰り出産は諦めた。近所に知り合いもいないし、不安で仕方なかった」

教室は初めて父や母になる人向けで、助産師の江原美恵子さんから赤ちゃんの世話の仕方や産後の体調変化などを教わった。
準備する赤ちゃんの衣類の数は、家族などの助けがなく、こまめな洗濯が難しい場合も想定して助言された。

この日、区の担当者らに悩みを話すと、家事や育児のサービスなどを紹介され、「いつでもサポートするから」と声をかけられた。
「優しくされて泣きそうになった」。
孤独だった心の内をのぞかせた。


各地で育児の講演活動を行う、NPO法人「児童虐待防止全国ネットワーク」理事の高祖常子さんは「核家族化が進み、出産や育児に実家の手助けや地域の支えがない家庭が増えている」と指摘する。

自治体や病院などが開く妊産婦向けの出産・育児教室への要望も高まっている。
だが、コロナの影響で、各地で休止や定員制限が相次ぐ。
同区も、今月下旬から2月末まで教室の休止を決め、出産や育児を学ぶ動画配信などをする。

区の委託で教室を運営するNPO法人「さんぼはうす葛飾」理事長の井出陽子さんは「インターネットで情報が簡単に手に入る時代だが、信頼できる助産師の助言や指導を求める妊婦は多い」と話す。

●電話やアプリで

自治体が、妊婦に寄り添う方法は様々だ。

昨年10月に双子を出産した埼玉県川越市内の女性(38)は、妊娠を届け出た際、保健師と面談し、「周りに相談できる人がいない」と話した。

約1ヵ月後、市の保健師から電話が来た。
「双子の親子の集会に参加しませんか?」

参加すると、双子を育児中の母親らに、体験談や便利な育児用品などを教えてもらえた。
母親らとSNSでやりとりするようになり、女性は「不安が和らいだ」という。

同市は、妊婦の孤立を防ぐため、妊婦に不安な要素が一つでもあれば、保健師らが電話をかけるなどし、助言や支援制度の紹介をする。


山口市は、妊娠届を出した時の面接で、未婚や経済的問題を抱えるなど、支援が必要だと判断した妊婦に、その場で市の保健師らが使う専用スマートフォンの番号を登録してもらう。
保健師が定期的に、電話やショートメッセージで、「いつでも連絡くださいね」などと呼びかける。

千葉県君津市は、スマホ用の母子手帳アプリ「母子モ」を活用。
パパママ教室の情報や担当者からの助言や励ましの言葉などをプッシュ通知で届ける。

高祖さんは「色々な人の手を借りながら、誰もが育児を楽しめる社会にする必要がある」と話している。

●お産の不安自治体サポート

読売新聞が昨年11~12月、政令市、県庁所在地、中核市、東京23区の計109自治体に実施した調査(有効回答98自治体)では、孤立や貧困などで支援が必要と自治体が判断した妊婦は2020年度、少なくとも計5万6725人で、7人に1人の割合に上った。

判断理由を複数回答で尋ねると、精神的な問題を抱えてることが最も多く、「援助者や相談者がいない」「望まない妊娠」「経済的困窮」「未婚」「若年妊娠」などと続いた。
自由回答では「不安が大きい」「多胎」「高齢初産」もあった。
新型コロナウイルスの影響と考えられる理由では「援助者や相談者がいない」や「経済的困窮」が目立った。




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