不妊に関する用語 あ行

・アシステッドハッチング(AHA)(孵化補助)

胚移植(ET)の際に胚(受精卵)一部に開孔して着床しやすいようにすることです。
体外培養や凍結融解、加齢などによって受精卵の周りの透明膜は硬化し、自力で透明帯から脱出(ハッチング)して子宮内膜に着床するのが難しくなるといわれています。
このように手助けする操作は、ART(生殖補助技術)といわれます。



・AIH(配偶者間人工授精)

夫の精液を採取し、洗浄・濃縮して排卵日に人工的に子宮の中に注入し、卵管膨大部に到達する精子を増やして自然受精を助ける方法です。
子宮頚管を精子が通過出来ない、精子の数が少ない、精子の運動率が低い場合などに行います。
妻に卵管障害や着床障害のないことが必要です。



・エストロゲン(卵胞ホルモン)

卵巣から分泌されるホルモンで、卵胞の成熟、子宮頚管粘膜の分泌、子宮内膜の増殖などの働きがあります。
同じような卵巣性女性ホルモンにプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
黄体ホルモン(プロゲステロン) 排卵後の卵巣の黄体から分泌されるホルモンで、子宮内膜を肥厚させ着床の準備を整えます。
妊娠の維持作用、体温上昇作用、乳腺の発育作用などの働きがあります。



・黄体期

月経周期の後半で、排卵後に黄体が形成されている時期、つまり受精卵が着床する時期です。
基礎体温は高温を維持し、通常10~14日間持続します。



・黄体機能不全

排卵後に残存した卵胞の細胞は黄体細胞とよばれ、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを分泌します。
これによって子宮内膜は増殖期内膜から着床に必要な分泌期内膜に変化します。
黄体の働きが悪く、十分にホルモンが分泌されない場合や、子宮内膜がホルモンに反応しない場合を黄体機能不全といい、不妊原因とされています。



・黄体(化)形成ホルモン(LH)

脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつで、成熟した卵胞に作用し排卵させ、黄体を形成させます。
排卵が近づくと急激で大量の黄体化ホルモンを放出(LHサージ)し、排卵の引き金となります。
LHサージ開始の約36時間後に排卵します。



・hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)

卵胞刺激ホルモンの作用がある注射薬で、不妊治療の際に使用します。
卵巣を刺激して卵胞を成熟させるように働きかけます。



・hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

黄体化ホルモン作用がある注射薬で、卵胞を破裂させて排卵を促す目的で用いられます。



・LHサージ

排卵直前に黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌されることをいいます。
LHサージから36時間後に排卵が起こります。
卵巣内で卵胞が成熟すると多量にエストロゲンが分泌され、脳下垂体が刺激されてLHの放出を促します。
LHサージは卵胞の大きさが20ミリ前後となり起こります。