不妊に関する用語 は行

・胚移植(ET)

卵管の膨大部で行われる受精を体外受精や顕微授精など体外で行い、受精卵(胚)(受精 の2~3日後の4~8細胞)まで発育した段階で子宮内に戻して、着床を促し妊娠をはかる操作のことです。



・配偶者間人工授精(AIH)

夫の精液を採取し、洗浄・濃縮して排卵日に人工的に子宮の中に注入し、卵管膨大部に到達する。
精子を増やして自然受精を助ける方法です。
子宮頚管を精子が通過出来ない、精子の数が少ない、 精子の運動率が低い場合などに行います。
妻に卵管障害や着床障害のないことが必要です。



・排卵

卵胞が成熟すると卵巣の表面を押し上げ、その部分の白膜が薄くなり小さな穴が開きます。
そこで卵胞が破裂して卵子が腹腔内に放出されることが排卵です。



・排卵障害

排卵が規則正しく行なわれていない状態を指し、女性の不妊症の15~20%を占めています。
小卵胞や中卵胞での卵胞発育不全によるものと、成熟卵胞の排卵障害があります。
排卵が全くない「無月経」や、排卵が不定期で月経周期が乱れている「生理不順」も排卵障害に該当します。



・排卵誘発

排卵がスムーズに行われない場合に、卵巣を刺激して排卵を起こさせることをいいます。
排卵誘発剤には経口薬(飲み薬)と注射薬の2種類があります。
経口排卵誘発剤には、クロミフェン(商品名クロミッド)が最も多く用いられますが、注意しなければならない副作用に「子宮内膜が薄くなる」「頸管粘液が減少する」という妊娠を妨げる要因になるものがあります。
また注射剤では、「HMG-HCG療法」(ゴナドトロピン療法)といい、重度(クロミフェン無効例)な排卵障害に対しても効果的とされますが、注意すべき副作用に、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)があります。



・胚盤胞移植(ブラストシストET)

受精後5~6日間体外で培養し、胚盤胞の状態まで発育したものを子宮の中に戻すことです。
胚盤胞まで培養するので、着床率が高くなり、質の良い胚盤胞だけを移植することができます。
1個だけを移植できるので、多胎妊娠の予防にもなります。
ただし、胚盤胞まで育たないと移植はキャンセルになってしまいます。



・ピックアップ障害

排卵された卵子を卵管采が捉える動きを「ピックアップ」といい、卵管采が正常に機能しないことを「ピックアップ障害」と呼びます。
ピックアップ障害の最大の原因は卵管采の癒着(組織同士がくっついてしまう)で、原因不明不妊症(機能性不妊)の原因の1つと考えられています。



・不育症

妊娠はするが、流産や早産を繰り返して赤ちゃんが得られないこと。