不妊に関する用語 さ行

・子宮外妊娠

受精卵が子宮内膜以外に着床することで、多くは卵管内に起こります。
流産や卵管破裂など母体も危険な状態になることがあります。



・子宮鏡検査

膣から子宮頸部を経て子宮内部に内視鏡を入れ、直接子宮腔に挿入し観察する検査法です。
子宮鏡検査では、子宮内膜ポリープ、子宮腔の癒着、粘膜化筋腫などが確認でき、軽度な病変であれば、切除や癒着剥離などの治療も出来ます。



・子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍です。
子宮内部にできる粘膜下筋腫、子宮の筋肉内にできる筋層内筋腫、子宮の外側にできる漿膜下筋腫があります。
成人女性の4人に1人はあると言われ、不妊症や流産、早産の原因になることがあります。
子宮筋腫の症状は、月経量が多い、レバーのような塊がでる、生理痛がひどい、貧血、便秘や頻尿などです。



・子宮腺筋症

子宮筋層内に発生した子宮内膜症で、子宮内膜組織が子宮筋層(筋肉)の中に入り込んでしまう病気です。
子宮腺筋症の症状は、ひどい生理痛、過多月経、貧血などです。子宮筋腫と合併して発症することもあり、受精卵の着床障害を引き起こす原因となる場合もあります。



・子宮内膜症

月経がある女性の10人に1人は「子宮内膜症」があるといわれ、最も多い不妊原因となっています。
本来なら子宮の内側をおおっている子宮内膜が、子宮の内側以外の場所に発生し、月経周期毎に増殖を 繰り返す病気です。
症状が悪化すると周囲との癒着により激しい痛みが起こるようになります。
卵巣内に発生したものは「チョコレート嚢腫」と言われます。



・子宮卵管造影

造影剤を子宮腔内に注入し、X線で撮影して子宮内部や卵管の異常を調べる検査です。
不妊の原因になる卵管の通過性確認することができます。
卵管の通過性が不良であれば、タイミング療法や人工授精での受精の可能性が低くなります。
卵管造影検査後は卵管の通りが良くなるため、妊娠率が上がるとされます。



・視床下部

脳の中央に位置して人間のあらゆる器官の働きや、ホルモンバランスを調節するところです。
脳下垂体に性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌し、この刺激により下垂体がFSHとLHを分泌し、卵胞の発育へとつながります。



・習慣性流産

連続して流産を3回以上繰り返すことを習慣性流産、2回連続して流産するものを反復流産といいます。



・人工授精(AIH・配偶者間人工授精)

夫の精液を採取し、洗浄・濃縮して排卵日に人工的に子宮の中に注入し、卵管膨大部に到達する精子を増やして自然受精を助ける方法です。
子宮頚管を精子が通過出来ない、精子の数が少ない、精子の運動率が低い場合などに行います。
妻に卵管障害や着床障害のないことが必要です。



・性交後検査(フーナーテスト、ヒューナーテスト)

排卵日に合わせて性交し、12時間以内に子宮頸管粘液を採取して、粘液中の精子数や運動率を調べる検査。
精子が子宮頚管の粘液内をスムーズに通過しているかを調べます。



・精索静脈瘤

精巣や精巣上体などの精索内で内精索静脈の弁不全のため、腎静脈から内精索静脈へ血液が逆流してしまい、血管がうっ血して膨れ上がって静脈瘤ができることをいいます。
精巣の温度が上がるため造精機能に影響を与え、男性不妊の原因となります。



・精子無力症

精液検査により精液量、精子濃度、運動率、形態などが調べた結果、運動率が50%未満のこと精子無力症といいます。
乏精子症とは、精子濃度が少ない(1ml中に2000万個未満)ことをいい、無精子症は精液の中に精子が存在していない状態をいいます。



・性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

下垂体より分泌され、性腺の働きを調節するホルモンで、卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体形成ホルモン(LH)などがあります。
これによって刺激を受けた卵巣が、エストロゲンやプロゲステロンの分泌を始めます。



・続発性不妊

過去に妊娠した経験があり、その後に妊娠を望み2年以上妊娠しない場合をいいます。
一度も妊娠した事のない人が同じように妊娠を望み、2年以上妊娠しないことを原発性不妊といいます。